過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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633: ◆ySV3bQLdI.[saga ]
2011/10/17(月) 03:25:37.80 ID:DTAKjFNQo

「なっ――」

 口から呻きが漏れた。 
 しっかりと槍を握りしめていたはずの手にそれはなく。
 そこにはただ、数秒前に感じたのと同じ痺れが。

 何が起こったのか理解が追い付かなかった。
 杏子の眼に映った零の身体は不自然に開き、両足とも目の高さまで上がっている。
特に左足は高々と天を指していた。

 数瞬の後に理解する。零は後ろ回し蹴りを空振った体勢から、左足で槍を下から蹴り上げたのだと。

「ちぃっ……!」

 そうとわかれば呆けていられない。落ちてくるのを待たず、杏子は跳躍、槍を取り戻す。
 降り立った時、零は既にバックステップで逃げていた。その距離、およそ5メートル。
奇しくも最初とほぼ同じ距離は、戦いが振り出しに戻ったことを示していた。

「さっきのは冗談。あんこちゃんなら、これくらいは避けるだろうと思ったからさ」

 零の軽口に、どちらからともなく笑みが零れる。
 杏子は手のひらに滲んだ汗を服で拭い、槍を握り直した。
 ここから仕切り直しだ。戦いはまだ始まったばかりなのだから。





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