過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga ]
2011/10/17(月) 03:25:37.80 ID:DTAKjFNQo
「なっ――」
口から呻きが漏れた。
しっかりと槍を握りしめていたはずの手にそれはなく。
そこにはただ、数秒前に感じたのと同じ痺れが。
何が起こったのか理解が追い付かなかった。
杏子の眼に映った零の身体は不自然に開き、両足とも目の高さまで上がっている。
特に左足は高々と天を指していた。
数瞬の後に理解する。零は後ろ回し蹴りを空振った体勢から、左足で槍を下から蹴り上げたのだと。
「ちぃっ……!」
そうとわかれば呆けていられない。落ちてくるのを待たず、杏子は跳躍、槍を取り戻す。
降り立った時、零は既にバックステップで逃げていた。その距離、およそ5メートル。
奇しくも最初とほぼ同じ距離は、戦いが振り出しに戻ったことを示していた。
「さっきのは冗談。あんこちゃんなら、これくらいは避けるだろうと思ったからさ」
零の軽口に、どちらからともなく笑みが零れる。
杏子は手のひらに滲んだ汗を服で拭い、槍を握り直した。
ここから仕切り直しだ。戦いはまだ始まったばかりなのだから。
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