過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2011/10/30(日) 23:59:35.62 ID:ZovtKtNzo
魔導具、シルヴァ。
零の唯一の家族であり、最も信頼している相棒の名。
鋼牙にとっての魔導輪ザルバと同じ、公私に亘ってかけがえのない存在。
彼女は師から受け継いで以来、常に零の傍らに、今も杏子の太股に埋もれた左手の甲に在った。
そして呼べば応える。答えるでなく応える。
零が何を望んでいるかを考え実行に移せる。長年付れ添った者同士だからこそできる阿吽の呼吸。
例えば零が口を塞がれている場合、口に出して命令しては意味を失う場合。
そう、たった今のように。
それは零が彼女の名を呼んだ直後。
「あぅっ――!」
どれだけ零に抓られようと引っ掛かれようと解かれなかった拘束が、
初めて内股からの予期せぬ痛みに跳ね上がった。
自分ではどうしようもない身体の反応。痛みの原因から逃れようと太股が勝手に緩む。
――まずった!
と思ったのも束の間。太股が内からこじ開けられ、零が下に抜けた。
これによって喉輪が外れたのはいいものの、状況はむしろ悪化している。
杏子の身体は支えを失い、身体は地面に落下しようとしていた。そうなれば好きに料理される。
それどころか片足だけでも捕らえれたら。
焦燥感が胸に湧き起こる。そうなったらすべて終わりだ。
零は自分を殺しはしないだろう。だとしても戦いは終わってしまう。この時間が途切れてしまう。
負けることよりも、それが何より惜しい。
故に杏子は――。
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