過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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762: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/11/26(土) 01:54:44.26 ID:EH1OJZ2Zo

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「っと……行ってくれたか」

 猛烈な勢いで走っていく杏子を、ビルの上から見送りながら零が呟く。
ビルの屋上から見る街は赤く染まり、もう陽が遠くに沈みかけていた。
 路地裏は静寂を取り戻したが、すぐに騒がしくなるだろう。それだけ彼女は派手にやり過ぎた。

 なのに、零はその場を動こうとはしなかった。
 エレメントの浄化で消耗した体力の回復と、夜の戦いを前にした一時の精神の休息。
杏子に邪魔された時間を取り戻すように、夕陽を見つめている。
 その沈黙を破ったのはシルヴァだった。

『……あれで良かったの?』

「良かったんだよ、"あれで"。なかなか使えそうだぜ、あんこちゃんは」

 上手い具合に手のひらで転がされた少女に同情を覚えつつも、
その対価に命を懸けるのは、どう考えても割に合わない。
 今日に限らず、どうにも彼女に対する零の態度は不可解だった。
杏子が零のお気に入りなのは疑うべくもないが、果たしてそれだけだろうか?
 だいたいの予想は付くが、今ひとつ釈然としない。

『ねえ、ゼロ? 結局、あなたは何がしたかったのかしら』

 尋ねるべきか迷ったが、シルヴァは単刀直入に訊くことにした。
今さら、自分たちの間柄で隠し事もないだろう。
 シルヴァの問いに、零も素直に答える。

「ああ、あんこちゃんをちょっと試してみたかったんだよ。結果は俺の負けだったけど」

『あれは、あなたが面倒になってついた嘘じゃなくって?』



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