過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga]
2011/11/26(土) 01:54:44.26 ID:EH1OJZ2Zo
*
「っと……行ってくれたか」
猛烈な勢いで走っていく杏子を、ビルの上から見送りながら零が呟く。
ビルの屋上から見る街は赤く染まり、もう陽が遠くに沈みかけていた。
路地裏は静寂を取り戻したが、すぐに騒がしくなるだろう。それだけ彼女は派手にやり過ぎた。
なのに、零はその場を動こうとはしなかった。
エレメントの浄化で消耗した体力の回復と、夜の戦いを前にした一時の精神の休息。
杏子に邪魔された時間を取り戻すように、夕陽を見つめている。
その沈黙を破ったのはシルヴァだった。
『……あれで良かったの?』
「良かったんだよ、"あれで"。なかなか使えそうだぜ、あんこちゃんは」
上手い具合に手のひらで転がされた少女に同情を覚えつつも、
その対価に命を懸けるのは、どう考えても割に合わない。
今日に限らず、どうにも彼女に対する零の態度は不可解だった。
杏子が零のお気に入りなのは疑うべくもないが、果たしてそれだけだろうか?
だいたいの予想は付くが、今ひとつ釈然としない。
『ねえ、ゼロ? 結局、あなたは何がしたかったのかしら』
尋ねるべきか迷ったが、シルヴァは単刀直入に訊くことにした。
今さら、自分たちの間柄で隠し事もないだろう。
シルヴァの問いに、零も素直に答える。
「ああ、あんこちゃんをちょっと試してみたかったんだよ。結果は俺の負けだったけど」
『あれは、あなたが面倒になってついた嘘じゃなくって?』
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