過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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763: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/11/26(土) 01:57:15.94 ID:EH1OJZ2Zo

 きつい質問に少々苦笑しながら零は、

「嘘なんか言ってないよ。負けたのは本当。理由がどうあれ、剣を抜いた時点で俺の負けだったんだ」

 と、別段悔しがる様子もなく言った。
 ああ、なるほど――と、シルヴァの中でパズルのピースがカチリと填まる。
これでひとつの疑問に得心がいった。

 彼は掟破りはしでかしても、騎士の根本は踏み外さない男だ。
 ホラーを狩る魔戒騎士が、その剣で人間を傷つける。
 それは重大な掟破りであり、如何なる理由があろうとも騎士として恥ずべき行為。

 故に、零は彼女に勝てなかった。

 もしも剣を抜いて戦っていたら、もしも鎧を召喚していたら――そんな仮定は何の意味も持たない。
 絶対に、あり得ないからだ。
 杏子が人間であり、零が魔戒騎士である限り。

 戦闘力とは様々な内的、外的要因によって常に大なり小なり流動するもの。それは相手によっても異なる。
 何があろうと覆えらない前提がある以上、あれが零の杏子に出せる全力であり、言い訳しようもない敗北だった。
 そもそも人を守護すべき魔戒騎士が、人である魔法少女と力を比べることに意味はない。
サバックのような試合ならいざ知らず、殺し合いなら尚更である。

 魔戒騎士と、魔法少女と、ホラー。
 単純な強弱で量れるものではないし、また個人差もあろうが、さしずめジャンケンのように三竦みの関係か。

 杏子が素手の零にも劣るようであれば、力尽くで屈服させて、ホラーを避けるよう徹底させたかもしれない。
 だが彼女は、偶然も手伝ったとはいえ、零を凌駕して見せた。
 協力者としては合格だろう。彼女にやる気があれば、だが。

 しかし、もうひとつ解せない点がある。零は何故、破邪の剣を渡すような真似をしたのだろうか。



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