過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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846: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/01/16(月) 01:31:22.38 ID:oMWjRI4do

 突然の声に全員の視線が集まる。
 声は開け放たれた窓の傍から。白いカーテンが夕陽でオレンジに染まりながら揺れている。
その窓際に、ちょこんと白い小動物が座っていた。

「キュゥべえ。来ないかと思ったわ」

『すまない。もう話は終わったみたいだね』

「ええ、あなたが遅いから。二人にはゆっくり考えてもらうつもりよ。
冴島さんから聞いた話は後で私が――」

『いいや。その必要はないよ、マミ』

「え……?」

 マミが疑問符を発するのと、鋼牙が怪訝な顔をしたのは同時。
 そして直後、

『君たちのことは知ってるよ。正確には魔戒騎士とホラーについて、ね』

 怪訝な顔は鋭く変わり、空気が張り詰めた。
 鋼牙が重く、低い声で問う。

「……どういう意味だ」

『簡単さ。君たちの仲間――魔戒法師と呼ばれる者たちの中にも、過去に数人の魔法少女がいたからね』

「魔戒法師にだと……!?」

 鋼牙が初めて動揺を見せた。
 もしもキュゥべえの言うことが本当だとしたら、番犬所にも魔女や魔法少女の情報が伝わっているはず。
 だが、鋼牙はここに来るまで魔女についても魔法少女についても、ほとんど何も知らなかったのだ。
 無論、書物などで調べもした。それでも情報が得られなかったのに。

 キュゥべえはどこまでも飄々とした無表情、感情の籠らない平坦な声で続ける。
 
『そうさ。みんな優秀で強力な魔法少女だったよ。だからホラーについても、彼女たちから多少の情報は得ている』

「お前はいつから魔法少女と契約している? いや、その前に……お前は何者で、どこから来た?」

 鋼牙はキュゥべえを敵――とまでは行かないものの、油断ならない存在だと認識を改めた。
 さやかもまどかも、マミやほむらでさえも戸惑っているが、一顧だにしない。
 既に戦いは始まっている。剣を抜かない、立ち上がりすらしない、しかし一瞬の油断も許さない静かな戦いが。
 鋼牙の射抜くような眼光に晒されてもなお、キュゥべえは平然と答えた。

『僕が何者で、どこから来たか……それはそんなに重要なことかい?』




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