過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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90: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/05/08(日) 00:26:17.47 ID:SvJd1x2Vo

 が、声を荒げてから気付く。これでは背伸びした子供だと自己アピールしているも同然ではないか。
男はやはり薄く貼り付けた微笑を崩さない。からかわれたのだと悔しくなるが、怒っては駄目だと、なんとか踏み止まった。

 男は胸を押さえて深呼吸するマミを面白そうに見ていたが、やがてその顔から薄っぺらい微笑が消え失せる。

「それとは別に、君の力に興味がある」

 男がマミに軽く人差し指を突きつける。
 もしペースを乱されていなければ、注意を解いていなければ、確実に男の纏う雰囲気が変わったことを察知していただろう。

 だが下らないナンパかと侮っていたマミは、そっぽを向いて無防備な状態で、続く言葉を受け止めてしまった。

「だって君――魔法少女だろ?」

「えっ……!?」

 唐突に背筋を悪寒が走る。すぐさま男に顔を戻すと、矢のような眼光に射抜かれた。
 鋭い視線に晒された瞬間、マミは声も出せず、静かに戦慄した。
 直感で理解する。
 この男の気障なところも、無邪気におどけた振りも全て演技、まやかしだ。
 冷たく研ぎ澄まされた刃――それが彼の本質にして本性。

 そうと知りつつも、マミは微動だにできなかった。指一本、動かせなかった。
冷や汗だけがこめかみを伝う。
 蛇に睨まれた蛙。
 いや――狼と兎、と例えた方が適当か。
 事実、マミの目には男の姿が狼と重なっていた。
 逃げたいのに逃げられない。動けば即、その爪牙に引き裂かれる。
そう思わせるだけの何かがあった。




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