過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/02/07(火) 01:50:37.55 ID:DylvrvT4o
今度は鋼牙が口をつぐむ番。これ以上、キュゥべえを問い詰める意味がなかった。
あとは精々、二人に警戒するよう忠告するくらいか。
「旨い話には裏がある。怪しむのは当然だ」
『何せ、そうやって乗せられて破滅した連中を嫌ってほど見てきてるからな』
そしてもうひとつ。
嘘や隠し事には必ず利が絡むということ。
それ故、大事なのは真実よりも、真実を隠す理由だと鋼牙は考えていた。
キュゥべえはそれきり何も語らない。ただ、無表情で尻尾を揺らめかせている。
他の面子にも目を移すが、それぞれ胸中に戸惑いが渦巻いているようだった。
特にマミの様子は酷い。平静を装っていても、その顔には隠しきれない悲痛と恐怖と驚愕の色。
鋼牙は理解した。マミは鋼牙の推理と呑み込んだ言葉のほとんど、或いはすべてを察したのだと。
気遣っていては何の為に集まったのかわからない。真実には手が届かない。
たとえ彼女たちを傷つけたとしても、謎の糸口だけでも掴んでみせる。
覚悟はしていたが、焦り過ぎたのも確かだった。
結果、魔法少女と魔女の関係はかなり掴めた。確証は得られていないが、絶対に近付いてはいるはず。
そして、キュゥべえが信用ならない相手だとも。
まず間違いなく、奴は何かを隠している。協力者である魔法少女にもだ。
それが掴めただけでも来た甲斐は充分にあった。
だが、鋼牙は眉間に深く皺を刻み、目を細める。
あの時、鋼牙の言葉が刃と化して斬り込んだのはキュゥべえではなく。
巴マミ、彼女の心だったのだ。
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