過去ログ - キャスター「宗一郎様。 ここは…学園都市ですわ」
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2: ◆CERO.HgHsM[sage saga]
2011/04/25(月) 03:28:26.22 ID:GjrvZVV5o
――ある一人の女の話をしよう。

それは神代の時代に生まれた魔道の王女の話だ。

外の世界を知らずに育った美しい姫。

けれど彼女は外の世界に興味などはなかった。

生まれ育った国を愛し、父である王を愛し、朗らかな民を愛して生涯を終える事に満足していた。


けれど。

王女のそんなささやかな望みは無惨にも踏みにじられることとなる。


ある日、栄光と地位と宝物を求める外界の“英雄”が船に乗って現れたのだ。

王女は“英雄”を支持する愛と美を司る女神に呪いをかけられてしまう。

"英雄"を愛するように呪いをかけられた王女は命じられるがまま国の宝を盗んだ。

それは父を裏切り、国を裏切り、民を裏切ること。

王女の心が悲鳴をあげる。

しかし――呪いが解けることはない。

“英雄”と共に異国の地へと逃げ出した王女。

追っ手から逃げるため、自ら連れてきた幼い弟をその手で殺し海にまいた。

王女の心が血の涙を流す。

けれど――呪いが解けることはない。

約束を違えたと怒る"英雄"の自尊心を満たす為、王女は幾人もの人間を殺した。

王女の心が絶望で張り裂ける。

それでも――呪いが解けることはない。

魔導の王女は"英雄"の私利私欲を満たす為だけに魔術を使い、自らの手を血に染め続けた。

ただ“英雄”に付き従う王女はまるで死人のようだった。

しかし“英雄”は痩せこけた王女を見ても何も思わなかった。

――“英雄”にとって王女とはただの便利な“道具”でしかなかったのだ。



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