過去ログ - キャスター「宗一郎様。 ここは…学園都市ですわ」
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8: ◆CERO.HgHsM[sage saga]
2011/04/25(月) 08:12:06.84 ID:GjrvZVV5o

『輪廻の車輪より切り離された英雄。 座より召喚されし英霊よ。 アンタの運命は誰と共にある? アンタの杖は誰の為にあるんだ?』


アヴェンジャーは魔女に問う。

『……そんなの決まってるわ』

問われた魔女の胸に浮かび上がるは一人の男の名。

そしてまるでそれを見越したようにアヴェンジャーが問いを続けた。

返ってくる答えは判っている。

しかしそれでも。

かつて一人の少年に問いかけた騎士王のように朗々と問いかけた。


『問おう。 貴方は誰のサーヴァントか?』


『私は……誰の……?』

千々に乱れいていた魔女の思考はその一言でもって、まるで魔法のように静かになった。

そしてゆっくりと魔女は顔をあげて返答をする。


『答えるわ。 アヴェンジャーのサーヴァント。 私の運命はマスターと共に。 私の杖はマスターの為に』


魔女は大切な男の名をゆっくりと唇に乗せる。


『そして私のマスターは――葛木宗一郎様よ』


魔女は自らのマスターの名を告げ、それを聞いたアヴェンジャーがニヤリと笑いを形作る。

『けけけ。 そうだよ。 オレはアンタのそういうとこ嫌いじゃないぜ。 惚れた恋人の為に命すら投げ出すのも惜しまない癖に、変なところで悩んでしまう馬鹿っぽいとこがさ』

『……今だけは言わせといてあげるわアヴェンジャー。 坊やなんかに無様なところを見せてしまったのは癪だけど』

魔女のその言葉を聞いてアヴェンジャーが盛大な笑い声をあげる。


『ヒヒヒヒヒ。 確かに見物だった。 と、そろそろ俺のマスターが五日目に辿りつく頃だ。 じゃあなキャスター。 せいぜい浮気されないよう気をつけな』


アヴェンジャーは相も変わらず憎まれ口を叩き。

そしてそれが魔女とアヴェンジャーの交わした最後の言葉だった。


――――パキンと天が割れ、月が砕けた。


それは繰り返された四日間に終止符が打たれた音。

けれど。

桃源の夢はまだ続く。


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