過去ログ - なのは「とある科学の」 当麻「魔法少女」
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◆LFImFQtWF6
[saga]
2011/08/14(日) 19:50:06.76 ID:Ig/0OqC60
情けないと笑われようが、
なんだろうが。
声が出せただけで、私にとって奇跡とも言えた。
私が私である為に。
高町なのはと言う人間がそこにいるために必要だったものが、消えた。
しかし、受話器から返ってきた言葉は無情にも、そんな私の崩壊を加速させた。
{当麻って誰なん?
もしかして、なのはちゃん、私らに黙って彼氏でもつくっとたんか?}
‘当麻って誰なん?’
「え? はやてちゃん、冗談はやめてよ。
こんなの、冗談にならないよ。
皆で私を騙してるの? ねぇ」
{何言ってるん?
冗談はそっちが言うとるんやろ?
ヴィヴィオがいないだとか。当麻がいないだとか。
よー解らんこと―――}
携帯を投げ捨てる。
床に叩きつけられた携帯からは、
未だにはやてちゃんの怒声が響いていた。
止め処なくあふれる涙が、
頬を、制服を。
全てを伝って、床に零れ落ちていく。
失っちゃいけない、失いたくないものを。
私は失った。
悲しみにくれ、
泣き続ける私の頬を誰かが拭う。
周りに誰も居ない、
不自然な感覚。
けれど、安心できる暖かさに身を任せ眼を閉じる。
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