335:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[saga]
2012/08/29(水) 01:18:18.86 ID:pD8F2EEI0
少女「盗み聞き?」
盗賊「……ったく。いつから気付いてやがった」
騎士「ずっとだ。私が入った時からいただろう」
少女「……来てたんだ」
騎士「? その口振りでは今までも何度か来ているようだな」
副長「ここ毎日来てるな。で、頼んでたもの持ってきてくれたか?」
盗賊「何言ってんだ、てめぇ。酒なんて持ってくるわけねぇだろ。バレたらどうする」
副長「バレてるから……」
騎士「酷く悪人面だが――」
盗賊「ほっとけ」
騎士「悪さをしようと言うわけではなさそうだ。しかし、どうやって入った? 外には牢屋番がいるのに。何者だ?」
少女「このおじさんは盗賊って言うの。住んでる周辺は調べないと気が済まないんだって」
盗賊「裏道の一つや二つくらいは知ってるぜ」
騎士「盗賊……あぁ、見覚えのある顔と思っていたら、やはりそうか。黒の国の件では世話になったな」
騎士「で、今回は裏道の手引きをした罪があったが、一般人の身で警鐘を聞き駆けつけた事で大臣様から免罪されたと言う強運者だな」
盗賊「一件の事はもう聞いていたのか。早いな」
騎士「主が亡くなってのうのうと生きていけるはずもあるまい」
騎士「で、君はここに来て何をしているんだ。脱獄させようと言うようには見えん。自分も牢に入ろうとしているようには見えるけど」
少女「あ、わかるんだ。こいつ見た目と違って小心者なんだよ」
少女「『一番悪いのは俺だ。俺が裏道を教えてなけりゃ……』って」
騎士「そんな事を言ってたのか? そんな柄には見えないが」
少女「そうそう。あたしもびっくり!」
盗賊「う、うるせぇ!」
少女「……ま、冗談はおいといて。あたし達が昔の仲間と重なったんだって。雰囲気が」
騎士「ふむ」
盗賊「てめっ……!」
少女「良いでしょ。減るものじゃないんだし」
副長「そうだぞ。とまぁ意味のわからん理由で親しまれてな。いつも外の噂話とか話してもらってんだ」
少女「ここは娯楽もないし、正直助かってるよ」
盗賊「……熱でもあるのか?」
少女「はぁ? 正直に感謝してやってんのに何なの!?」
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