368:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[saga]
2012/10/04(木) 23:44:51.24 ID:23tTgEDd0
勇者「――休んでおけ、か」ボソリ
騎士「何だ? まだ白国王様の言葉が気になってるのか?」
勇者「気になってると言うより、やっぱり腑に落ちないな」
騎士「そう言うな。言い換えれば『動くな』と言う命令だぞ」
勇者「しかしな……」
騎士「まぁ、討伐隊が編成されればすぐにでも敵をとってくれるさ」
騎士「もしかしたら、生きて帰ってくるかもしれない。私達はまだ死んだ所を見ていないからな」
勇者「そ……そう言えばそうだな! 討伐隊はいつ出発するんだ!」
騎士「一個小隊、しかも人員は各所から選抜されるみたいだから……」
騎士「早くて一週間くらいだろうな。とんでもなく早くても三日はするだろうし」
勇者「やっぱりそんなにかかるのか……」
勇者「もし友がまだ生きていたら、今頃どうしているか」
勇者「……友だけじゃない。あの行商人、その他にもいるかもしれない被害者達の安否も早く確かめるべきだと思うんだけどな」
勇者「――ってあれ? 騎士、どこだ?」
騎士「ああ、ここだ。すまんな。そこでパンを買っていた」
勇者「俺は一人で喋ってたのか。恥ずかしい目にあわせるなよ……」
騎士「大丈夫。ちゃんと聞いていたさ。それよりどうだ、君も。私の好きなビアンブリードだ」
勇者「豆入りのパン……ありがとう。借りはなしだぞ」
騎士「私達の仲だ。そんなものはない。ただな」モグモグ
勇者「何だ?」モグモグ
騎士「一応言っておく。私達は休めと言われてるんだ。一人でも友を助けに行かないようにな」
勇者「あのな、俺がそんな無謀な奴に見えるか?」
騎士「……そうか、それなら良い」
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