50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[saga]
2011/07/08(金) 01:41:46.48 ID:eKd3NeGE0
錬金兄弟子「何を言ってるんだ? 俺はお前の弟子だった錬金兄弟子――」
錬金師「演技はやめておこうじゃないか。俺とお前の仲じゃないか」
錬金師「とは言え、一度会ったきりで随分久しぶりだな。ん? これでは仲も何もないな」
勇者「……どういう事ですか?」
錬金師「あぁ、奴は錬金兄弟子ではない。それはあなた達もわかっているだろう」
勇者「はあ」
錬金師「奴の本当の名は幻術師――最も、あれはただの幻覚でしかない」
男「幻覚? 俺は錬金兄弟子さんなんて知らなかったし、それにあんなに会話の成り立つ幻覚なんて……」
錬金師「祠を囲む六つの点がある。そのうち五つが魔石の置かれている場所だ」
錬金師「それらの点は幻術師を封じる特殊な結界を形作る陣詠唱の要なんだが、結界はその点を繋ぐようにして張られている」
錬金師「この結界は特殊と言ったが、その理由は詠唱者が封印対象を完全に指定出来る事だ。指定された対象は、結界が外から解かれない限り身動きする事すら出来ない」
錬金師「一方、対象以外は簡単に出入りできると言う欠点がある。幻術師はそこを利用したんだ」
錬金師「封印される寸前に詠唱したのだろう。結界内部に奴の幻覚魔法を最大限に飽和させた領域が発生している」
錬金師「その領域内では、身動き出来ないはずの幻術師が自由に幻覚を見せる事が可能であり、あれは錬金弟子の記憶から出た姿を領域内に投影しているに過ぎない」
勇者「でも、それでも封印されているはずでは……?」
錬金師「封印で身動きは出来ないとは言え、思考は可能なんだよ」
903Res/728.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。