679:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/04(木) 00:24:40.27 ID:i2IVTR040
黒竜「そもそも、竜族の中で“異端”という言葉が生まれたのは、青竜の父親がきっかけだったと言う」
黒竜「俺達竜族は、この大陸で古来より知性ある生物として生きてきた」
黒竜「魔法を使い、巨大な身体と強大な力の使い方を正しく知り、そしてどの生物よりも寿命は長い」
黒竜「昔はそんな自分達を、他の種とは違う特別なものだと皆考えていたらしい」
騎士「らしい、か」
黒竜「俺の生まれる前だ。歴史として今生きている者全員に教えられているがな」
黒竜「話を戻そう。人族はそんな竜族を長い間、神聖なものとして、強大な力の象徴として接してきた」
黒竜「竜族もまんざらではなく、知性として下等と見なす人族との交流を許していた」
黒竜「竜族には、支配欲や明確な法がないのもそうしていた要因だろう」
勇者「今でも、人間を下等と思っているのか?」
黒竜「どうだろうな……。それには答えかねる」
黒竜「長い間交流を断絶してきたのだ。優劣をつける意味もない」
黒竜「俺は、下等とは思わないがな」
勇者「そうか。それだけで十分だよ」
黒竜「ただ、今の竜族でも人族の中で理解し難いものがある」
伍長「理解し難いもの?」
黒竜「恋愛感情だ。一部のな。――いや、性癖と置き換えた方が明確だ」
伍長「……どういうことですか?」
黒竜「種族の繁栄は生物の性。それは同じ種の間で行われて然るべきものだ」
黒竜「竜族はそうしてきたし、それ以外ありえなかった」
黒竜「しかし人族は、別の種にも恋愛感情を持ち、性行さえする」
騎士「ちょっと待て、それは――!」
黒竜「わかっている。それはそちらでも一部の所行」
黒竜「しかし竜族にとってはありえないことだった。その点のみにおいて、人族を見下していた」
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