690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/29(月) 01:00:32.85 ID:o+6PQEkx0
黒竜「青竜は父の死百年程後に孵化した」
黒竜「俺よりも随分と年上の竜だ」
騎士「五十年? 遅くはないか?」
黒竜「ああ、竜の生態もよく知らないんだったな」
黒竜「竜は妊娠後、五十年程かけて卵を形成し、さらに五十年程かけて誕生する」
黒竜「人間には気の長い話だろう」
勇者「長生きの人が一人一生を迎えるな」
黒竜「母親は心労で体調を崩していたとかで、青竜の卵を産んだと同時に死を迎えたという」
黒竜「竜族の皆は、色々と不遇に生まれてきた彼を、特に温かく迎え入れた」
伍長「父親は異端と呼ばれて暴走し、母親には先立たれて生まれたのか。つらいな」
黒竜「ああ。竜族はそれらの罪や不幸は子に関係なしと考えて接してきたが」
黒竜「青竜には、そうは思えなかったのだろう」
黒竜「昔から自分を責め続けていたという」
黒竜「それ故か、自分の力である程度生きていけるようになる頃には、あまり他の竜族とも接することが少なくなったらしい」
黒竜「俺が生まれた頃には、既にそうなった状態だった」
黒竜「彼は、竜族の歴史の中で、群れの中では最も孤独な竜だったと思う」
勇者「だろうな。俺には……その心境を知ることはできないけど」
伍長「しかし、そんな竜がどうして今のように暴れているのですか?」
騎士「いや、今の話だけでは、青竜とやらに原因があるかはまだわからん」
黒竜「結果を言えば、人族に迷惑をかけているのは、青竜と他の竜族どちらとも言えるのだろう」
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