691:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/29(月) 01:01:07.30 ID:o+6PQEkx0
黒竜「元々、青竜はそういった劣等感を持っている事以外は、とても優しい竜だった」
黒竜「俺が幼少の頃、優しかった頃の青竜に何度も会っている」
黒竜「最も、俺が生まれた頃には既に数もかなり減っていたからな」
黒竜「青竜のように他の竜を避けていても、殆ど顔見知りにはなるのだ」
黒竜「そんな彼が変わってしまったのは、十年も前の話だ」
勇者「十年前?」
黒竜「竜族の長である老竜が青竜に提案したのだ」
黒竜「一度竜から離れて暮らすのはどうか、とな」
伍長「交流はなくなったのでは?」
黒竜「竜族としては、だな」
黒竜「先程、人族に紛れて暮らす竜もいたという話はしたと思うが」
騎士「そんなことも言ってたな」
黒竜「そういう時は、人の姿に変えて、人として暮らすようにしているのだ」
黒竜「丁度、俺みたいな姿でな」
騎士「成る程な」
黒竜「青竜も老竜のその言葉に従った」
黒竜「竜の国の首都、力の街で、青竜は人として過ごすこととなった」
勇者「十年前か。それだけ近ければ、魔の国の属国となってる状態だな」
黒竜「国としてはそうだったが、実の所、竜族にとってはどちらでも良いことだ」
黒竜「魔の国は知っている。竜族も危険視はしていた」
黒竜「しかし竜の国は魔の国と条約を交わした後も、民衆の暮らし自体はそれ程変わりはしなかった」
勇者「そうなのか」
黒竜「……いや、本当の所はわからない」
黒竜「人が何を考え、どうして暮らしているのか。それは竜族には理解できないところかもしれない」
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