過去ログ - 女「ここが……異世界?」 #3
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73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2011/08/20(土) 05:02:46.18 ID:2FSGK+/b0
錬金師「何を、勘違いしている」

幻術師「ここに来てまだ強がるか! 見上げたものだ」

錬金師「有頂天になっている所悪いが、もはやお前の魔法など解くのも容易くなってきたんだ」

錬金師「暖房薬を飲んでいるにもかかわらず、身体は騙せないようだ。寒さで薬の効き目が悪い。もうすぐ四十秒経ってしまうな。残念だ」

幻術師「薬、だと?」

錬金師「もはや俺の勝利が見えた。だから教えてやろう。俺が飲んだのは強力な毒薬だ」

幻術師「気でも違えたか。負けて私に従うよりも、死を選ぶというのか」

錬金師「どちらも違うな。この毒薬はお前を倒すために特別に調合したもので、飲むと徐々に全身の感覚が麻痺していくんだ。勿論、感覚は麻痺しているが、身体の機能は暫く動くようにしてある」

錬金師「さっきから幻覚を解く早さが上がっているのに気付かなかったか?」

幻術師「まさか……!」

錬金師「そうだ。もはや手足の感覚はない。今、味覚もなくなった。おや? 腹に服が擦れる感覚が失せたな」

幻術師「……は、ははっ、成る程! 考えたものだ。幻覚を知るための感覚をなくすとは!」

幻術師「だが、やはりそれは自殺行為でしかないのはわからぬのか」

錬金師「どうしてだ?」

幻術師「何も感じなければ結局動けまい。私が何もしなくとも死ぬ。わざわざ私が殺す場合も、あまりにも容易だ。目も見えないし、耳も聞こえないのだからな!」

錬金師「では耳の聞こえない今、どうしてお前と会話出来てると思う?」

幻術師「……何だと?」

錬金師「感覚に障害を負った人は別の感覚が鋭くなっている例は多々ある。俺もそれに習って、感覚をなくす事によりある感覚を鋭くしているんだ」

幻術師「では最初の索敵魔法は……」

錬金師「そうだ。全ては感覚を鋭くするためだ。そして最後の感覚――目が見えなくなった今、幻覚を催す感覚は全て消えた」

錬金師「これで俺が頼りに出来る感覚は一つだけとなった。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のいずれでもない感覚……直感だ」


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