781:名無しNIPPER[saga]
2015/05/26(火) 23:35:12.79 ID:V/RRkQvj0
――魔剣内部
「勇者は少しずつだが成長してきている」
「だが……間に合うのか?」
「この剣が無事に終わったとして、白の国へ戻れば」
「恐らくそれ程の日も経たずに戦争は開始されるであろう」
「魔の国の結界とやらがどれ程のものかは知らぬが、今までの話から察するに今のままでは無理だろうな」
「いや、間に合うかどうかではない」
「そもそも、勇者にできるのか?」
「魔力の量が、それを操る精密さが、圧倒的に足らないのでは……」
「賢者の石を正しく扱えるかどうかではなく……」
「そう、例えばあの魔法師だ。所持しているウォルターに違わぬ水属性への大きな適正だが」
「魔力の量、魔法操作の技量、どちらも勇者より明らかに秀でているではないか」
「英雄王よ……」
「……久しいな」
「いや、我々にとっては数日の空きは大して久しくはないのか?」
「些細なことだ」
「全く……キミはなんだというのだ」
「この前も言ったつもりだが」
「ここに我よりも長くいるとな。我が時代には一度も話しかけてこなかった癖にな」
「必要がなかっただけの話だ」
「それで、決まったのか?」
「それも以前言ったはずだ。もう勇者には我が助けは不要だと」
「どれほど成熟しても助けが必要となる時が来る。それが人と言うものだ」
「それに、我が助けるよりも勇者が何とかしなくてはならない。今回はな」
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