818:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 23:05:53.07 ID:hwBgjRWz0
雀竜「それから数日空いてる。その後の記述は、軟禁される日まで同じようなものばかりよ」
雀竜「『人を殺した。こんなにも弱い生き物なのか』」
雀竜「『強い人間が俺を殺しに来たが、やはり弱い。竜の方が強いに決まっている』」
黒竜「……それだけか」
雀竜「ただたまに、こう続くものもあるのよ」
雀竜「『――なのになぜ、あの女が未だ怖いんだ』って」
騎士「相手は女なのか！？」
勇者「あー……女は怖いな、確かに」
魔法師「勇者、冗談を言ってる空気じゃないよ」
伍長「死ぬかと思った、という記述の前は何が？」
雀竜「良い質問だ。丁度、前日だよ」
雀竜「『明日は魔の国から国王が視察に来るらしい。警備は厳しいが、通りを歩く姿は見れるようだ』」
雀竜「『人間と言えば竜の国の人間しか知らないから、凄く楽しみだ』」
勇者「魔の国の女……女さん！？」
魔法師「バカ。十年前の話だよ」
勇者「あ、そうか」
騎士「だが、魔王は男性だ。十年も前だから先代としても、そっちも男だったはず」
伍長「となると、その周辺ですね」
勇者「だが、魔王の近くに女はいるか？ 将軍、兵士……向こうは殆ど男だぞ」
魔法師「……いえ、います。魔王のすぐ近くに。今も昔も」
勇者「誰だ？」
魔法師「大陸での目撃例が極端に低いから、言われてみれば知名度は低めですね」
魔法師「側近。大臣に当たる人物です」
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