過去ログ - 神裂「鋼盾―――鋼の盾ですか、よい真名です」
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892: ◆FzAyW.Rdbg[saga]
2011/08/02(火) 20:31:54.24 ID:DzGDM9X2o


「って、あーもう! そんなんじゃないったら!」


 口ではそう言いつつ、美琴自身もそれを認めざるを得ないところがあった。

 19日は囮捜査を邪魔されたことも手伝って、結局上条とはいつもどおりの遣り取りに終始してしまい、大いに凹んだりもしたのだけれど、

 一昨日は美琴が少し譲るだけで、不思議なほどスムーズに上条当麻と話をすることができた。


 電撃も怒号もない、多少ちぐはぐだったが、それでもおだやかな一時。


 上条との談笑。そんなことは初めての経験で、勝負に勝ったわけでも認められたわけでもなかったが、不思議と達成感と充実感に心が満たされたのを覚えている。

 落雷の一件についてキチンと謝り、更にはビリビリ中学生ではなく“御坂”と呼ぶという約束すらも取り付けることができたのだ。


 そんなしおらしい美琴の態度に上条が「オマエなんか変なものでも食ったのか?」なんて業腹な台詞を口にしたりもしたけれど、それさえも許せた。

 「じゃあな、御坂」と、そんななんでもない別れの挨拶ひとつで、自分はこんなにも浮かれている。

 
 そしてそれはきっと、隣の席に座る人物のおかげだった。

 人見知りの気はないと自負する美琴だが、それでも己が狭い世界にいるという自覚はある。

 上条、そして鋼盾に出会ったことで、己の世界は随分と広がったように思う。


 ここしばらくで一番の上機嫌。

 美琴は浮き立つ心を抑えることができない。





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