過去ログ - 箒「私が一夏と結ばれるためには――――」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/08/05(金) 21:47:33.14 ID:QHGBQv2f0
空が青い。
箒は寮の窓から、空を見上げていた。
「しののちゃん……」
「大丈夫だ」
ルームメイトから心配そうな声がかかった。
それもそうだろう、箒はもう三時間ほど空を見続けている。
「ここ数投下の間、すっかりメインヒロイン(笑)扱いだったからな。作者にすらついに見捨てたのかと思っていた」
「そういうメタ発言は自重しようよ」
「早く紅椿来ないかなー。アレ来るまでバトル展開に参加できないんだが」
「だからもうちょっと自重しようってば。ますます『扱いづらい子』がサマになってきてるよ」
はあ、とため息をつくルームメイト。箒自身も少し疲れたように視線を下げた。
瞬間。
――キィィィィィィィィィィンンン!!
耳をつんざく超高周波音が響いた。
同時、寮の傍へ爆音を伴いニンジンさんが着弾した。大きなカブもかくやと言わんばかりのサイズだからか、衝撃音が周囲の人々の鼓膜を穿つ。
思わず耳を手で塞ぎ、箒は怒声を、ルームメイトは悲鳴を上げた。
「あんの人はァァァァァァァァァァァァァ!!」
「きゃああああああああああああああああ!!」
歩く天災。
シリアスブレイカー。
狂気のマッドサイエンティスト(別に鳳凰院凶真ではない)。
ニンジンさんのヘタが弾け飛び、中からウサミミ着用済みの『彼女』が顔をぴょこんと覗かせる。
寮中の窓が割れんばかりの勢いで一斉に開かれ、なんだなんだと生徒達が顔を見せる中、『彼女』は一室、正確にはその中の少女しか見ていない。
(…………イヤな予感しかしない)
そう分かってはいても、無視するという選択肢が箒にはどうしても選べなかった。
顔を出す。『彼女』を直視する。
視線が合った瞬間、実の姉であり、世界を代表する天才兼天災は子供みたいに笑って手を振ってきた。
『彼女』――篠ノ之束の口が動く。
声が聞こえる距離ではないはずなのに、その言葉は、しっかりと箒の頭の中に叩き込まれた。
――――もってきたよ、あなただけのためにつくった『さいきょう』を。
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