過去ログ - 箒「私が一夏と結ばれるためには――――」
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196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/05(金) 21:47:33.14 ID:QHGBQv2f0
空が青い。
箒は寮の窓から、空を見上げていた。

「しののちゃん……」
「大丈夫だ」

 ルームメイトから心配そうな声がかかった。
 それもそうだろう、箒はもう三時間ほど空を見続けている。

「ここ数投下の間、すっかりメインヒロイン(笑)扱いだったからな。作者にすらついに見捨てたのかと思っていた」
「そういうメタ発言は自重しようよ」
「早く紅椿来ないかなー。アレ来るまでバトル展開に参加できないんだが」
「だからもうちょっと自重しようってば。ますます『扱いづらい子』がサマになってきてるよ」

 はあ、とため息をつくルームメイト。箒自身も少し疲れたように視線を下げた。

 瞬間。


 ――キィィィィィィィィィィンンン!!


 耳をつんざく超高周波音が響いた。
 同時、寮の傍へ爆音を伴いニンジンさんが着弾した。大きなカブもかくやと言わんばかりのサイズだからか、衝撃音が周囲の人々の鼓膜を穿つ。
 思わず耳を手で塞ぎ、箒は怒声を、ルームメイトは悲鳴を上げた。

「あんの人はァァァァァァァァァァァァァ!!」
「きゃああああああああああああああああ!!」

 歩く天災。
 シリアスブレイカー。
 狂気のマッドサイエンティスト(別に鳳凰院凶真ではない)。

 ニンジンさんのヘタが弾け飛び、中からウサミミ着用済みの『彼女』が顔をぴょこんと覗かせる。
 寮中の窓が割れんばかりの勢いで一斉に開かれ、なんだなんだと生徒達が顔を見せる中、『彼女』は一室、正確にはその中の少女しか見ていない。

(…………イヤな予感しかしない)

 そう分かってはいても、無視するという選択肢が箒にはどうしても選べなかった。
 顔を出す。『彼女』を直視する。

 視線が合った瞬間、実の姉であり、世界を代表する天才兼天災は子供みたいに笑って手を振ってきた。

『彼女』――篠ノ之束の口が動く。

 声が聞こえる距離ではないはずなのに、その言葉は、しっかりと箒の頭の中に叩き込まれた。




 ――――もってきたよ、あなただけのためにつくった『さいきょう』を。


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