過去ログ - 人を救った偽善者と人を殺した正義の味方
1- 20
62:1 ◆TyXhq8/md2[sage saga]
2011/05/12(木) 19:28:32.69 ID:I7BD27GR0
さっきより強い口調で土御門が話すと、弓兵の表情は呆れを通り越して笑いに変わった。

「…何が可笑しいんだい、アーチャーとやら」

苛立ちを隠そうともせずステイルが言う。隣では、魔女狩りの王が今にも襲いかかろうとしている。

「フッ、もしかして君達はこれを交渉か何かだと思っているのか?
 だとしたらそれは全くの間違いだよ。これは、闘いの勝者が敗者に下す、命令だ」

明らかな挑発の言葉。それに、

「…っ、この―――!」

「待つんだ、ねーちん!」

「止まりなさい」「ッ!?」

瞬間、空気が凍った。
その言葉は、年端もいかない少女の筈なのに、千年生きた魔女の様に冷淡で、残酷だった。

「イリヤ…?」

イリヤと呼ばれた少女は、静かに神裂に近づいていく。

「貴方達に選択の余地は無いの。こちらの要求に応じる事しか出来ない。
 それとも、此処でミンチになる事を御所望かしら?」

「舐めた口を―――――って、え?」

そこには何も無い、誰も居ない筈なのに。

「そんな…」「嘘…だろ……?」「この、化け物が…!」

今まで感じていた殺気なんて、生温い。
殺す、なんてよく聞く言葉は、何の意味も無い。
ソレは、命の温かみなんて、微塵も感じさせてくれない。

「う…あ、あ……!」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
72Res/60.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice