過去ログ - 初春「私があなたを助けます」
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69:87[saga]
2011/06/26(日) 12:14:47.25 ID:8KcjYazA0
いてぇ。背中や後頭部に激痛を感じた。
血の臭いもした。
ゆっくりと目を覚ますと、誰かが喋っている声が聞こえた。
高い声と、低い声。
高い声は……初春か? 悲鳴を上げているようだった。
低い声は気持ちわるく笑っていた。

「――だいっ……。いたい……っ!」

「風紀委員がでしゃばるからこうなんだよ!」

薄く開いた目でゆっくりと確認する。
そこには何度も風に飛ばされ、床に打ち付けられいる初春の姿があった。

「う……い……はる……」

声を絞りだしても、初春には届かない。
助けねえと……、初春が……。

でも、うごけねぇ。

体がちっともうごかねぇ……。

笑いながら初春を吹き飛ばしている能力者の顔は気持ち悪い笑みを浮かべている。
対して初春はもう意識があるのかすら分からない。
なんだよそれ。
初春が何をしたんだよ……。
風紀委員の仕事をしていただけだろ……?
どうして、そこまで、ぼこぼこにする必要が、あるんだ。

「……けて」

意識が引いていく中で初春の言葉が聞こえた。
ああ、アイツはとても苦しんでいる。
俺よりも、とても苦しんで、そして助けを待っている……。
クソ……。
俺は、学園都市の第二位なんだろ……。
どうして……女一人助けることが……できねぇんだ。


そしてそれはまた起きた。
あの時と同じ感覚。
苦しみが消えて、翼が生えたように体が軽くなる。
その翼は白く、六枚も生えている。
ああ、これなら軽くなるのも当然だよな。
そのまま飛んでいけそうだ。
でもこの六枚の翼で、どうなるんだ……?
……でも、これだったら。


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