過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
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783:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]
2011/06/05(日) 23:42:10.80 ID:y/APSgqQ0
それじゃ……いきます

 夏休みの、とある日。
 部活から帰宅した俺を出迎えてくれたのは――天使のように可憐な微笑みをたたえた、あやせだった。
「おかえりなさい、お兄さん。……待ってましたよ」
「あ、あやせ…!?」
 まるで同棲している恋人のように、頬を染めながら嬉しそうに呟くあやせ。
 な、なんであやせが俺の部屋に……夢?夢なのか?
 どうして俺の部屋に居るのか。そもそもどうやって俺の部屋に入ったのか。――いろいろと聞きたい事があるんだが、まず最優先で問うべきは……『これ』だろうな。
「あの、あやせ…さん?」
「なんでしょうか?」
「…なんで俺のベッドに寝転んでんの?」
 まるでいつぞやの黒猫のように、あやせはさも当然といわんばかりの平静さで、俺のベッドに寝転んでいた。
 忘れてはいけないが、こいつは俺の事を「近親相姦上等の変態兄貴」と思い込んでいるのである。
 そんな相手のベッドに寝転ぶなんて、いつものあやせからは想像も出来ない。俺があやせのベッドに潜り込んだ時なんか、手錠で殴殺されそうになったしな。
「…はっ!?」
「き、急にどうしたんですか?」
「いや――カメラでも仕掛けられてんのかなぁ、って」
「そんなわけないじゃないですか!?」
「ご、ごめん!
 がばっと上半身を起こしながら気炎を吐くあやせを見て……俺はようやく、目の前のあやせが本物だという確信を得た。実は「ニセモノなんじゃないか」という疑問を捨て切れていなかったんだが、このおっかなさは間違いなく本物だ。
 この天使のようなかわいらしさと、悪魔のようなおっかなさが同居している少女は――俺が大好きな、新垣 あやせ以外に、ありえない。
「お兄さんの部屋にカメラなんか仕掛けて、どんな意味があるんです?」
「セクハラの現場を押さえて、裁判の時の証拠にでもするのかなぁ、と」
「…セクハラするつもりなんですか」
「おいおい、勘違いすんなって。前にも似たようなことを言ったと思うが、俺がお前にしてるのはセクハラじゃない。……心を込めた、真剣なアピールなんだぜ」
 ビーーーーーーーーーーーッ!
「待て待てェェェェェェッ!?」
 家の中で防犯ブザーを鳴らすんじゃねえよ!?
 家族が居なかったからいいものを……親父が居たら、現行犯逮捕されてたぞ!俺が。
 あの堅物の親父のことだ。息子を自宅で現行犯逮捕なんてしてみろ。次の日には、頭を丸めて辞職願を提出してる姿がありありと想像出来る。
 桐乃に見つかりでもしたら……想像もしたくねえ。
「我が家の平穏のためにも、ぜひとも勘弁してください!」
「ちょっ…土下座なんてやめてください!?」
 自分の部屋で女子中学生に土下座している俺を見て、あやせは引き攣った表情を浮かべながらドン引きしていた。
「……こんなつもりじゃなかったのに」
「え?」
「なんでもありません」
 拗ねたように口を尖らせながら、あやせはぷいっとそっぽを向いてしまった。


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