過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
↓
1-
覧
板
20
784
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]
2011/06/05(日) 23:55:06.62 ID:y/APSgqQ0
「そ、それで、今日はどうしたんだ?また桐乃のことで相談か?」
あやせが大嫌いな俺にわざわざ話しかけてくる時は、大抵が桐乃絡みだ。たまーに加奈子絡みだったりもするが…さて、今日はどっちなんだろうな。
俺としては、あやせからの個人的な相談でも一向に構わない。というか、むしろそうであって欲しいくらいなんだが……無いよなぁ、それは。あやせ個人の悩みなら、俺なんかよりもまず、桐乃に相談するだろうし。
拗ねた表情のまま、あやせは逡巡するように視線をさまよわせ……最後にちらっと俺を見た。
天使のようなかわいらしい仕草に胸が締め付けられるような愛おしさを覚えつつも、表情には出したりはしない。また「通報しますよ!」とか言い出されたら、面倒なことになる。
あやせたんマジ天使。あやせたんマジ天使、と心の中で繰り返し呟きながら、俺はあやせが話を切り出すのを辛抱強く待ち続けた。
「…あの、ですね。お兄さん」
「ん?」
「お兄さんは……私のこと、あんまり好きじゃありませんよね?」
「……は?」
なんで?てか、どういう会話の流れなの?
「私、お兄さんにはいつも怒鳴ってばかりで……蹴ったり、手錠をかけたり。そんなことばっかりしてるから、嫌われてるのは分かってます」
「…なあ、あやせ」
「なんですか?」
よく見ると、あやせは大きな瞳にうっすらと涙を浮かべていた。肩も小さく震えている。
それが――俺の勘違いかもしれないが、『俺に嫌われている』という思い込みから来ているものだとしたら。
「よーく聞けよ?」
――全力で否定しなきゃ、嘘だろ。
違ったら違ったで、その時だ。思い上がった勘違いをしてしまった変態として、甘んじて罵りを受け止めてやるぜ。
「俺は…お前のことが、大好きだよ。怒鳴られても、蹴られても、手錠をかけられても。そのくらいでお前を嫌いになんかなったりしない」
「どうしてですか。……私、お兄さんにそこまで言われるようなこと、なんにもしてないです」
「俺はお前になにかをしてもらったから好きになったんじゃない。真面目で、友達想いで、ちょっと思い込みが激しくて、天使のようにかわいくて……なんにでも一生懸命なお前だから、大好きなんだ」
うぉぉ…顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。エロゲでも、ここまでこっ恥ずかしい台詞は聞いた事ねえよ。
いつもの冗談交じりのセクハラとは違って、割とマジ入ってる台詞だった。なもんで、「スルーされたら凹むなぁ」という気持ちと、「また、そんな冗談ばっかり…」とか言われて流して欲しいという気持ちが、頭の中でない混ぜになって、ぐちゃぐちゃになっていた。
自分でも、あやせにどんなリアクションをして欲しいのか分からない。ただ……あやせの涙さえ引っ込んでくれるなら、それで充分だった。
いつになく重い空気の中、見つめあうこと数秒。もしかしたら、数分だったのかもしれないが。
時間感覚が完全に麻痺し、俺の精神があやせの視線を受け止め続ける事に限界を感じ始めた頃。
あやせが、静かに口を開いた。
「お兄さん……ありがとうございます。お兄さんがそう言ってくれるなら、私は……」
小さく息を呑んだあやせは、さっきまでの会話の流れにそぐわない……今の俺にとっちゃ聞きなれた感すらある「あの台詞」を口にした。
「……お兄さん、ご相談があります」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/478.84 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1304480500/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice