過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
1- 20
957: ◆kuVWl/Rxus[sage saga]
2011/06/13(月) 23:32:01.55 ID:0kkrz6kAo

夏休みのある日の午後――

いつものように黒猫の家を訪れた俺は、五更家の居間で一人、ぼんやりテレビを眺めていた。
なんで彼女の家に来てるのに一人なのかって?
黒猫の奴は、買い物があるとかで外に出てったっきり。俺はいつもの放置プレイを頂戴してるってわけだ。
……薄々感じてはいたけど、なんか彼氏の扱いが悪くねぇか?
あいつと付き合い始めたばかりの頃は、こういうシチュエーションに緊張して、実に落ち着かない気分になったもんだけど、
もう今ではすっかり慣れちまったよ。ハァ……

いいや、だけど逆にさ、お客扱いされてないことが、今の俺達の親密ぶりを表しているとも言えるよな?
気を許しているからこそのこの処遇なんだよ、きっと。
そう考えるだけで、陰鬱な気分はどこへやら。自然と頬が緩くなってしまうんだから、俺の色ボケぶりも堂に入ったものだ。

と、独りでニヤついていると、玄関の方から戸がガラガラと開く音が聞こえてきた。
黒猫が帰ってきたのかと思い、居間の出入り口に視線を移すと、そこに姿を見せたのは五更家の次女日向ちゃんだった。

「あーっ、高坂くんだ」
「よう、おじゃましてるぜ」

日向ちゃんはプールの帰りらしく、ビーチバッグをぶら下げ、おさげの髪はほんのり湿って見えた。

「あれぇ〜?ルリ姉はいないの?」
「ああ、買い物に行っちまったぜ」
「ふ〜〜ん。なんかさー……高坂くんって、いつもいつも放置されてるよねぇ……」

やめてっ!そんな目で見ないで!
小学5年生から向けられた哀れみの視線に、さっきまでのポジティブシンキングは消え去り、俺はがっくりとうな垂れた。
そんな俺の心の動きを察知してか、うひひ〜と意地悪な笑みを寄越す日向ちゃん。
こういうところは黒猫にそっくりだ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/478.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice