過去ログ - 律「終末の過ごし方」
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719:にゃんこ[saga]
2011/10/26(水) 20:58:23.90 ID:2qeuKkVP0
私は小さく苦笑しながら探ってみたけど、
どうやら紀美さんも含めて、音楽室の中には私達以外に誰も居ないみたいだった。
紀美さん、もう居ないのか……。
挨拶したかったなとは思う。
でも、紀美さんが学校に来てくれてたって事は嬉しかった。
多分だけど、紀美さんはラジオが終わった後で、私達のライブを観に来てくれてたんだろう。
私達のライブがある事を、さわちゃんが紀美さんに伝えてくれてたんじゃないかな。
勿論、単に懐かしくなって音楽室に顔を出してみただけかもしれないけど、
本当に私達のライブを少しでも観てくれていたら嬉しい。

何となく、もう一度ホワイトボードに目を向けてみる。
よく見ると『DEATH DEVIL参上!!』以外にも色々細かく書いてあるみたいだ。
『ラジオもヨロシク!!』とか、『ヅラクター給料上げて!!』とか、
私達に言えた事じゃないけど、かなりフリーダムな落書きだな……。
だけど、そんな中にも紀美さんの気遣いが見て取れた。
その落書きは私達の落書きとは重ならないように書かれてたからだ。
私達の落書きにも何かの想いが込められてるかもしれないって思ってくれたんだろう。
今は単に取り留めの無い唯の落書きがあるくらいだったけど、
そんな事にも気の回る紀美さんの優しさが何だかとても温かい。

「これ……、いいな……」

ホワイトボードの上に何か気になる言葉を見つけたらしい。
すごく嬉しそうな顔で澪が呟いた。
澪の視線の先には紀美さんらしい洒落の効いた言葉が記されていた。
私も思わず笑顔になって、後ろから澪の背中に抱き着いた。
しばらくそのまま二人でくっ付いて笑顔を浮かべ合った。


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