28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2011/05/11(水) 01:00:29.66 ID:acZXDSwU0
「ま、黒子とも一緒なんだけど、あの子は多分風紀委員の仕事で出掛けてるでしょうから気にしなくてもいいわ」
「そりゃ、よかった」
いくら認識されないとは言え白井とはこの状況で出会いたくない。なんていうか俺のゴーストが呟いている。
危険なう。
「んじゃ、入るわよ」
御坂はそう言って俺の奨学金何年分かを溜めても買えそうに無い豪華な両開きの扉を開き、室内へと入る。
中に入るとこれまた俺の住む学生寮の何年分かの家賃を出しても一月借りれそうも無い造りの部屋が俺を出迎えた。
あの時は必死だったのであまり覚えていないが、こうして入ると萎縮してしまう。我ながら貧乏くさい根性だ。
「えーっと服と、タオルと、シャンプーと……」
そんな俺を他所にクローゼットから次々とお泊りセットを取り出してバッグに詰め込んでいく御坂。
その様子を一メートル後ろから眺めていると、急に御坂の手が止まる。
「……目を閉じて」
「はぁ?何でだよ」
「いいから目を閉じろ!バカ!少しは考えなさいよぉ」
「はいはい」
何のことだか分からないが大人しく目を閉じよう。
立ったまま目を閉じると何となく倒れそうになるよなぁ。平衡感覚が足りないだけかもしれないけど。
「あれ?たしかこっちに――」
と、御坂の声が聞こえたと思ったら、そこで俺のバランスが崩れる。
恐らく御坂から一メートルぎりぎりに立っていたので少し彼女が動き、引っ張られたのだろう。
そして今俺は目を閉じておりバランスが悪い状態。そんな状態で引っ張られたら当然転倒してしまうわけで。
御坂に引っ張られたということは、そちら側に倒れてしまうわけで。
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