30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2011/05/11(水) 01:02:29.04 ID:acZXDSwU0
「あれ?」
唐突に意識が戻り、自分が横たわっていることに気が付く。
確か俺は御坂のナビゲーターとしてチャンスの説明をして、なんだかんだ俺の家に御坂が来ることになって、常盤台の寮に着替えを取りに行くことになって。
御坂の意外な一面を垣間見て、御坂と白井の部屋に入って、御坂の荷造りを見ていて――記憶が無い。
それに真っ青な空が見えるのでここは室内じゃなく、外のようだけど。
「ようやく目が覚めたのね」
その声に状態を起こし周囲を確認すると、どうやら寮の庭園のベンチで寝ていたようで俺の隣に御坂が座っている。
「俺、なんで寝てたんだ?途中から記憶がないんだが」
「そ、それは良かった――じゃなくて災難ね。い、いやぁ急にクローゼットに入れていた時計がアンタの頭に直撃したのよ。それで気を失ったからここまで連れてきたのよ」
そうか、なんて良い奴なんだコイツは。
俺は今まで御坂のことを誤解していたかもしれない。
暴力的で皮肉屋で俺のことなんか玩具としてしかみていないのではないかと思っていたが、こいつは認識を改める必要がありそうだ。
「悪いな。それで荷造りは終わったのか?」
「ばっちりよ」
得意げに大きな旅行鞄を俺に見せて立ち上がる御坂。
「さて、行きましょうか」
「そうだな。どうする、バスにするか?」
ここから俺の住む学生寮までは歩くには距離がある。
俺一人なら歩いていくが御坂も一緒だし、なにより荷物があるのでそう提案してみる。
すると「別にいいわよ。歩きましょ」と答えた。貧乏学生である俺にとっては有難い話だ。
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