796:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/08/14(日) 21:09:07.44 ID:bk19XHJXo
頭を撫でている手は、真っ黒だった。
こちらを見下ろす顔に、見覚えがない。しばらくして、やっと気づく。
なんだ、アタシか。
自分の影。影の自分。なんだ実物とちっとも似てやしない。聖母ぶった面をしてやがる……、──杏子は意識を失った。
「目的はなんだって、答えてなかったよね。杏子さん」
「さ、やめちゃおう。心中しよう」
その傍らで、藤が薔薇を殴りかえし、がっぷり四つ。
「僕は助けたいんだ。皆をね」
「死のうよー死のうよー士農工商よー」
「ふざくんな。ってか来んな。離れろ」
「皆を喰らって、僕も死ぬよ。杏子さんだって、もう疲れたろう?」
「うるせーどっちがどっちのセリフか判りにくいんだよ」
「自分でどうにかしなよ」
恭子「どーにかしたよ」
恭子「じゃー黙ってろよ」
恭子「わかりづらいよ!」
恭子「じゃー黙ってろよ!」
恭子「杏子さんはまだ、諦めてなんかないよね? そうさ、僕は救いたいんだ」
恭子「白々しい白々しい。その傲慢さは害悪。世は喰らい尽くすためにある」
恭子「僕は皆に生きてほしいんだよ、より良く、美しくね。それは可能なんだよ」
恭子「死ぬべきだ。より悪く、醜くしかならないなら、ここで収束すべきなんだ」
恭子「ヒトが苦難を乗り越えようとする姿は、何より美しいんだ」
恭子「かわいそうじゃないか。試練だなんて言って、イジメだよ」
恭子「生きる事は苦痛の連続。僕は救うよ、醜い怠惰から皆を!」
恭子「マミさん、上は大泣き・下も大泣きで逃げちゃったじゃん」
恭子「尿がダダ漏れだったくらい何さ。マミさんにはよくある事」
恭子「はぁ〜オマエ、オレのカレーパン返せよ」
恭子「うるせえよテメー、月に帰れよ」
恭子「最後は黒だ、不滅の色だ!」
恭子「最後は白だ、永遠の色だ!」
恭子「……あれ?」
恭子「おや、杏子さんが」
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