825:すけこ☆マギカ[sage saga]
2011/11/06(日) 07:41:32.60 ID:p4laV2rSo
二人は互いを視てすらいない。
光の速度で展開される魔法、超高速で飛び回る不可視の盾であり矛。
打ち消しては、打ち消され、崩しては、崩され、誘い、誘い返し、奪い、奪われ、狙うはただ一つ。
穴。
無茶苦茶な質量を振りまわすのだ。隠しきれない矛の綻び、埋めきれない盾の隙間が発生する。
必ず、いつかは。
夜明「母体譲りのバケモノっぷりだ」
言われた方は顔をしかめた。
空豆「志筑仁美の肉体はそうでも、性根は真っ当だよ。そちらより、よほど」
夜明「どこが。欲しがり屋の、嫉妬を隠した泥棒猫の眼をしてるじゃないか」
空豆「嫉妬はお互い様というもの。しかし、おたくの方が遥かに……無様」
夜明「このオーロラの母体が、美樹さやかが、ブザマだって?」
空豆「激情を隠しきれないくせに隠したがるのは迷惑千万。こちらは自覚に思慮も有る」
夜明「思慮のあるオンナが、こそこそ隠れてオトコにメールなんてするか! 卑怯者!」
空豆「伝える事が卑怯なら、伝えない事も卑怯だ。現状にあぐらをかいた甘えん坊」
夜明「「あ、あの子はね、思い込みが激しくて、意地っ張りで、結構すぐ人と喧嘩しちゃったり、でもね、すごくいい子なのよ。
優しくて勇気があって、誰かのためと思ったら頑張り過ぎちゃって」
空豆「あの子だってね、誰かのためになろうと、いつも考えていて。考え過ぎちゃって、何も言えなかったりする事もあるけど。
本当は寂しくても、我慢して、いつかでもいいからヒトの頼りになれるようにって、頑張っていて……」
夜明「嘘を吐くな。志筑仁美が、そんな献身的な女であるわけがない」
空豆「嘘を吐くな。美樹さやかが、そんな高尚な生き様を示すものか」
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