862:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/17(土) 23:12:46.00 ID:PhQ4JxAeo
公爵『……ああ、そうだよ。
お父さんは、人を殺したことがある』
少女(ああ、この目だ。
とってもまっすぐで、優しくて、少し悲しそうな目。
お父さんはいつも、そんな目で私を見守ってくれて)
少女『人を殺すのは、いけないことですって、
乳母様は言ってたよ。
なのに、お父様は人をころしたの?』
公爵『そうだ、人を殺すのはいけないことだ。
だから、私が人を殺したんだ』
少女『どういうこと?』
公爵『私や少女は、貴族だね』
少女『うん』
公爵『貴族はね、みんなのためになるお仕事をして、
その代わりにみんなから、
ご飯とお金をもらってるんだ。』
少女『お仕事が、人を殺すこと?』
公爵『近いけれど違うんだ。
困った人がいたらその理由を聞いて解決するのが、
貴族のつとめなんだよ』
少女『だよねっ、乳母様も言ってたよ!』にぱっ
公爵『そして、遠くでたくさんの人が、
帝国の海賊に襲われていたんだ。
だから、私は退治しに行った』
少女『悪い人をやっつけたの?』
公爵『……やっつけたんじゃないよ、殺したんだ』
少女『でも、悪い人だよね。悪い人なら……』
公爵『悪い人でも、人なんだよ。』
少女『だって、その人達は人を殺す海賊なんでしょ』
公爵『人を殺す海賊でも、生きている人なんだ』
少女『悪い人でも?』
公爵『悪い人でも』
少女『じゃあ、お父さんは悪い人なの?
でもいけないことはしてないの?
なんで、石をなげられたの?』ふるふる
公爵『みなのためになる事をするのが仕事なのだ。
みな、悪い人と呼ばれるようにはなりたくない。
少女も、悪い人だと言われたくないだろ?』
少女『うん。』
公爵『だから、みなが悪い人にならなくて良いよう、
貴族である私達が、悪い事をしないでも、
安心して暮らせるようにする』
少女『わたし、たちが』
公爵『みんなが海賊に襲われたり、
海賊を殺さなくても大丈夫なように。
他にも、私達は『人のために』出来る事をするんだ』
少女『じゃあ、私も大きくなったら、人を殺すの?』
公爵『……そうだね。』
少女『貴族は、やめられないの?』
公爵『やめられないんだ。逃げてもいけない。
そうしたら、みんなが困るからね』
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