過去ログ - 少女「奴隷はもうやだよ……」
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877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage_saga]
2011/09/18(日) 00:01:47.15 ID:BCoR2CL1o
眼鏡「何が怖い」

少女「貴族は、人のやりたがらない事をするのが勤めで、
 必要なら、人を、殺さないといけないって」

眼鏡「公爵にそう言われたのか」

少女「……ずっと、昔にね」

眼鏡「ふむ。間違ってはいないと思うが、大変だな」

少女「……」

眼鏡「少女は、人を殺した事があるか?」

少女「……あるよ」

眼鏡「どうだった」

少女「……こわかった。
 殺されるかもしれないって状況で、
 とにかく必死に、憶えた通りに体を動かしたよ。
 あの時はそれしか、考えられなかったから」

眼鏡「そうだろうな」

少女「でも、動かなくなった血まみれの死体が、、
 無念そうだったり、すごく辛そうだったりしたんだ。
 『この人にも、大切な人とかいたのかな』とか思うと、
 もう、自分が救いようのない、
 どうしようもない罪人になったような気がするの。

 それと一緒に、これで一人敵が減ったって、
 どこか安心してる自分がいたりして、
 そんな自分が嫌で、すごく、嫌でっ、こわくてッ」

眼鏡「もう、人を殺したくない。
 だから貴族になりたくないのか」

少女「それも、怖いよ。それに……」

眼鏡「なんだ?」

少女「……」

眼鏡「言ってみろ」

少女「でも」

眼鏡「かまわん。
 身勝手でも汚くてもいい。
 俺の、少女に対する態度は変わらん」

少女「……うん。
 それに、もう一つ、いやな事があったの」

眼鏡「何があった?」

少女「私も命をかけて、相手の剣を向けられて、
 死にたくないって怖い思いを押さえながら、
 なんとかかんとか、戦ったのに」

眼鏡「……」

少女「人殺しとか、人殺しの娘って、
 石を投げられたり、怖がられたり」

眼鏡「助けた相手に追われたか。
 確かにそれは、苦しいだろうな」

少女「……」

眼鏡「せめて、一滴の感謝があれば、救われたのか?」

少女「一緒に戦った人がね、死んじゃったの。
 必死に戦って、命に代えてみんなを守ったの。
 なのに……っ」

眼鏡「……その人達を恨むか?」



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