過去ログ - 律「「復讐しよう」と唯は言った」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県)[sage]
2011/05/14(土) 11:23:29.17 ID:+38DJBxWo
その時は、澪と梓のほうが大人であり、現実を認めたくない私だけが子供だった。それだけのことで。そんな『大人』にムギは引っ張られていき、私は一人になった。
一人といっても、大学ですれ違ったりすれば会話はする。孤立しているわけじゃない。ただ、歩む道が違っただけ。
しかし道を違えた代償は大きく、私は唯が目覚めるまで完全な無気力状態。一年目から単位が足りず余裕で留年。というか単位も友達もなにもかも足りていなかった。
そんな私を憂ちゃんは毎日のように心配してくれた。実際毎日病院で会っていたから、毎日心配してくれていたのかもしれない。
今にして思えば、私も憂ちゃんのことを心配してやるべきだったと思う。私以上に唯のことを気にかけているはずでありながら、私より真面目に学校に行き、お見舞いに来て、家に帰って両親の世話。
……ああ、唯の両親も流石に今は家にいるらしい。憂ちゃんを一人にも出来ないし、唯のこともあるし。というかこれで帰ってこないような人だったら私も憂ちゃんに愚痴の一つもこぼしていたかもしれない。憂ちゃんが困ると知りながらも。
――話が逸れた。ともあれ、そうして一年が過ぎ、二年目。憂ちゃんも梓も大学に進学。澪が主になっているバンドサークルは今や超有名で、私の抜けた穴はなんか覚えにくい名前の凄腕の誰かが埋めてくれたらしい。
憂ちゃんは唯のことや家事のこともありサークルには入らなったが、梓はもちろん澪の後を追った。
私のことは…語るまでもないだろう。学校に顔を出す方が珍しい日々だった。
そしてまた半年くらい経って。私は留年二年目もほぼ確定しつつも、最近ムギのこと聞かないなー、とか思っていたら久々に病室で再会した。
紬「私、留年するのが夢だったの〜」
…だそうだ。とはいえ、そのまま受け取るほど私も愚かじゃない。
やはり、ムギも唯のいないバンドに耐えられなかったのだろう。ムギは、唯のことを好いていたから。
ラブかライクかは、私にはわからない。ただ、誰に対しても接し方を変えない唯という存在が、ムギの目には非常に美しく輝いて見えたのだろう、くらいは察しがつく。
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