過去ログ - ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/05/15(日) 09:34:49.37 ID:XZt4l12R0


どこの国の何処とも知れぬ、路地裏の暗がりに、雰囲気にそぐわない軽快な声が吹き抜ける。

「ッハッ、ハッ、ヒー! そりゃー傑作だぜい! で、オレからのプレゼントの方はお気に召したかにゃー?」

『やかましい!! 君とあの婆のせいでこの忙しい時期にいらん苦労を背負いこんでるんだぞ僕は!!』

耳元から携帯電話を遠ざけて、怒鳴り声に対処する金髪グラサンアロハシャツの大男――土御門元春は電話相手の怒りを意にも介さずのたまう。

「そいつは残念。十年前とは比べ物にならんインデックスの肢体にあのサイズ小さめに見積もったメイド服はさぞかし……」

『OK、現在地を教えろ。ピンポイントでルーンを郵送してやる』

相変らず冗談が通じないヤツだ、と苦笑しつついまやイギリス清教のブレーンを務める男は薄暗い路地を抜け、人気の多い市場へ出る。

土御門の現在のねぐらはすぐ近くだ。

「オレの仕事、わかってるのかにゃー? 秘匿回線とはいえおいそれと喋るわけにはいかないぜよ」

『……つまり、だ。使者の到着までにイギリスに戻ってくる、ということはないんだね?』

電話の声のトーンが変わる。こちらが本題、ということだろう。

現在イギリス清教は最大主教の交代という難しい時期にある。そこにけっして友好的とは言えないローマ正教がいち早く『祝い』の使者を送りこんできたのだ。

現ローマ教皇、ペテロ=ヨグディスがどのような思惑だったとしても、外交交渉にも長けたブレーン役、土御門元春も本来その場に同席すべきなのである。

しかしは彼は現在イギリスからはるか大西洋を越えた地に潜伏して、今回の件に関わる気はないという。訝しむ相手に向けて土御門は声色を変えずに軽く返す。

「まあ、深刻な事態になることはないと思うからそう気張らずにいることだぜい?」

『クソッ……何か知ってるな? 土御門』

「にゃっはは。まあ繰り返すが、おまえが心配するようなことにはならない。到着してからのお楽しみってことだにゃー」

はぁ……と向こう側から最近お馴染みの溜め息が聞える。

苦労性というか、とある『病気』がここのところとみに顕著になってきている青年にむけて一つ、確認しておく。

「それから……舞夏は元気か?」




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