過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/19(木) 21:41:00.39 ID:Kkb6Vddso
 走る、走る、走る。
 荷物を持たない上条は遂に学校前最後の直線に辿り着いた。
 そのすぐ後ろをフレンダが追う。本当に女子でどうしてここまで体力があって自分についてこられるのか少しばかり不思議に思うが、しかし――

上条(――もう、九年前だもんな)

 上条が学園都市に来たのは幼稚園を卒園し、小学校に上がる時だ。
 九年――小さな女の子が立派な女子高生になるには十二分な歳月。
 よくもまぁ、こんなにたくましく育ったものだ、とは思う。
 初対面では全くと言っていいほどこんな元気ないじめっこになる片鱗など――

上条(……あったかもしれない)

 当然知り合って少しの間は西洋製の人形のように綺麗で大人しくしていたのだけれど。
 こなれてきたのか、一ヶ月立った頃にはもう元気に自分の横を走りまわっていた記憶がある。
 それなら、今と何もかわらないんじゃないか、と上条は思った。
 それでも年頃の男子についてこれるポテンシャルを持った女子などそれほどいないのだが……上条的にはそれはどうでもいいらしい。
 ただフレンダが自分についてきていること、それのみが重要なのだから。

上条「フレンダ、見えたぞ!まだ予鈴はなってない、一気にスパートをかけるぞ!」

フレンダ「言われなくても、わかってるって訳よ!」

 自分のスピードをあげると直ぐ後ろの足音の数も多くなった。
 校門を抜けたと同時に、予鈴が鳴り響く。
 靴を玄関の隅に脱ぎ捨てて一気に階段を駆け上がる。
 踊り場を一歩で切り返す。
 『いける!』、と。きっと上条でなくとも、そう思ったことだろう。
 後ろにぴったり付いてきているフレンダもそう考えた筈だ。

 しかし、上条は、フレンダは。一つだけ忘れていることがある。
 こういう時にこそ、『不幸体質』というものが命運を左右するということを。


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