過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/29(日) 15:56:40.56 ID:zkGAG4J7o
フレンダ「――いやっ、やめてよっ!」

 彼女は男子に足蹴にされていた。太陽に煌く金髪は泥に塗れ、服も同様で、そんな状況で彼女は頭を抱えて丸くなっていた。
 それは当然、先の事件が関係していた。
 だが、それだけでは理由にならない。一日、二日は少しぎくしゃくしながらも会話を交わしていたりしたのだ。
 火はついた。導火線の役割を果たしたのは、一人の男子だった。
 クラス内でも声の大きい元気な男子が、親から何を吹きこまれたのか彼女の前にたって糾弾したのだ。

少年『――殺人民族は日本からでていけよっ!』

 それからだった。彼女に対する眼に見える虐めが始まったのは。
 得てして『火』がついた『導火線』は火薬への引火を果たしたわけだ。
 入園当初仲良くしてくれていた女子は誰も味方してくれない。それどころか男子に混じって蹴る人もいる。
 子供は純粋だ。だから加減がない。自分たちが正しいと思い込んでいるうちは只管に残酷なことをできる。
 例えば虫の胴体と頭を引きちぎってけらけらと笑うように。
 例えば欲しいおもちゃを持っている相手に対して平気で殴りこみをいれるように。
 つまり――彼らはきっと、フレンダを悪に見立てて、それを倒す自分たちを正義と思い、これを虐めとすら理解していない。
 だから彼らは蹴る。蹴る、蹴る、蹴る。
 外国人を。金髪碧眼の少女を。自分たちとは違うモノを。

 それでも、僅かな救いはあった。先生は自分の味方をしてくれたことだ。
 彼女は平等であり、虐めを見かけると手を差し伸べてくれていじめていた子を叱った。
 フレンダにはそれがあったから、まだ心が折れずに前に進むことができたのだ。


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