過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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805:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/29(土) 01:49:05.30 ID:HmMgeG8so
 そこには、一つの直面しがたい事実が存在する。

 それは、フレンダは上条が記憶喪失になったことを知っている、ということ。
 当然だ、昨年同じ学び舎だったとしたら、同学年で顔を合わせて居ない筈がない。なにせアレほどに目立つ外見なのだから。
 加えて両親の証言によると、その両親をほっぽって、ナイトパレードを二人で楽しむの仲だったらしい。 これで記憶喪失になっていないことが知れてないのがおかしいだろう。

 だとすれば。
 よほど残酷なことをフレンダにしてしまった、と上条は思う。

 あの日、病室で初めて会った時。
 幼稚園で一緒だったというフレンダに対して、上条は『覚えていない』と言ってしまった。
 本来なら、それより最近に会っているというのに。
 上条当麻は、フレンダ=セイヴェルンのことを忘れてしまっていたのだ。
 二人でデートもするほどの、もしかしたら好いた惚れたの仲であったかもしれない、幼馴染のことを。

 そして彼女は、つい数日前になんといっただろうか。
 『自分が一人なんてことはどうでもいい』、と。
 『今は当麻が一緒にいてくれるから』、と。
 彼女は、知っていて。
 少年が記憶喪失であることを知っていて。
 知っていて、尚、その言葉を告げたのだ。
 ――そう、笑顔で。

 そこにどれほどの想いが秘められていたことだろう。
 想像に難くない。 否、想像すら絶する。
 少女がどのような心を持ってして自分との邂逅を繰り返し、笑っていたのか、など。
 上条には想像もつかない。


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