過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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983:>>37じゃなく>>33でした[saga]
2013/02/01(金) 12:38:58.46 ID:UWNiv0mPo
 ほう、と息を吐く。
 けれどもそれは白くは濁らず、何もなかったかの様に風が過ぎ去り、消し飛ばしていく。
 トレードマークとも言えるニット系の服と帽子を身にまとった少女はその風をじっと、ただ見送った。

「絹旗っ」

 自らの名を呼ばれ、はっ、とする。
 急ぎ足で駆け寄ってくるその姿を確認して、彼女の表情は僅かに綻ぶ。

「すまん、遅れた」

「もう、超遅かったです」

 息を切らしている年上の少年に、少女はそんな悪態を吐く。
 怒っている素振りを見せつつも、実際にそんなことは全くない。
 誠意、というものがある。
 例えば、同じく時間の例になってしまうが、授業に遅刻した時全力疾走で教室に駆け込んできたのと、どうせ遅刻なんだからとゆっくりと歩いてくるのでは抱く印象は全く変わるだろう。
 それと同じく、彼はほんの少しでも待たせてしまったことを本当に申し訳ないと思っているだろう。 きっと誰にでもそうなのだろうが、その変わらなさが彼女にとっては嬉しくもある。
 そして、怒ってはいなくとも相応に弄ることで帳消しにする、というのが彼女の言だ。

「でも、許してあげます。 超感謝してください」

 どやっ、とでも効果音の付きそうな表情を見せる少女に対し、ははー! と少年は土下座しそうな勢いで敬々しい言動を起こす。
 大体、いつもこんな感じだ。
 少年、上条当麻と少女、絹旗最愛の掛け合いというやつは。

「それじゃ、早くチケット買ってしまいましょう。 当麻が遅れたせいで、もうすぐ始まっちゃいますから」

「……まだ弄るか」

「超当然です。 少なくとも、今日一日はもらいますからね?」

 やれやれ、と肩を落とす上条の手を、絹旗は引っ張る。
 そして待ち合わせをしていたこの店――映画館へと一緒に入るのだった。


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