過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」
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984:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/01(金) 13:01:45.05 ID:UWNiv0mPo
 映画館の内部は人っ子一人いない……というわけではなく、そこそこに人がいた。
 おや、と上条は首を傾げる。
 絹旗と映画に来たことは何回かあるが、その何れもB級C級。 自分たちの他に人がいることなど滅多にない。
 それなのに今日は極普通に確認できるレベルで席に人が居る。 かつて無いことだった。
 上条のそんな疑問をお見通しのように、絹旗は飲み物のストローから口を離し、説明する。

「今日のは、そこそこ人気のある映画なんですよ」

「へー、そうなのか。 珍しいな、絹旗がそんなの見るなんて」

「まぁ、そうですね。 特にこのジャンルを見るのも超ありませんので、ちょっと期待してたりします」

 ほら、席につきましょう、と絹旗は上条を促す。
 行き先はど真ん中、ネットで先に予約しておいたから一番見晴らしのいい席をとることができた、らしい。
 当たり前の様に隣り合わせに座り、特大サイズのポップコーンは真ん中に。
 そして間もなくの映画上映を告げるブザーが鳴り響き、照明が落とされる。

「……ちなみに、これ、どんな映画なんだ?」

「超恋愛ものですよ」

 返された言葉を聞いて、瞬間、ようやく上条は気付く。
 埋まっている席に居る人々は、皆カップルだということに。

「バレンタインの、なんでもないちょっとした恋愛を描いた映画です」

 そして映画が、上映される。


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