23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/23(月) 00:31:20.84 ID:u+2f/p+qo
「……今からでも」
ベッドに仰向けに倒れ込んだ御坂に、フレンダは変わらぬ微笑を向ける。
「アンタが望むなら記憶を消せるわよ。壊れてる部分は戻らないけど新しく作る事ならできる。
アンタの記憶を書き換える事だってできる。そうすれば全部忘れていつも通りの日常だって送れるだろうし。
結局、何なら夢を見させてあげましょうか。私は現実を作る事はできないけど幻想なら作れる。
アンタが望むままの最高に幸せな幻想を、ずっと、永遠に、幾らでも味わわせてあげることもできるよ」
「いらない」
フレンダの提案に御坂は即答する。
「どんなに最悪でも、私の生きている現実はこれよ。
大切だった人の記憶まで壊される訳にはいかないわ」
「……そう言うと思った」
フレンダは小さく溜め息を吐くと立ち上がり、ベッドを迂回して部屋の反対側へと歩いてゆく。
その様子を視線で追いようやく御坂はこの場所がどこなのかを知った。
見る限りだが、高級そうなホテルの一室。
部屋が暗い事にもようやく気が付く。
夜なのだろう。一体あれからどれだけの時間が経ったのか。
視線を巡らせベッドに内蔵されているデジタル表示の時計が目に入った。
日付は変わっているがまだ午前二時過ぎ。半日も経過していない。
「何か飲む?」
声に体を起こしそちらを見ると、部屋の隅に備え付けられた冷蔵庫の前にフレンダが立っていた。
がちゃ、と小さな音を立てて冷蔵庫の戸を開く。
「――――――」
中にはミネラルウォーターのボトルやアルコールの缶が幾つかと。
そして。
人の腕が入っていた。
606Res/449.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。