40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/28(土) 20:35:36.09 ID:HkoM0Zyho
数時間前。
祝日の街には突然の局地的な暴風が吹き荒れていた。
どのような経緯を辿りそこに至ったのかはさほど重要ではない。
とあるオープンカフェで風紀委員の少女に暴行というのも生易しいであろう危害を加えようとしていた垣根を制す者がいた。
そこから超能力者二人の戦いが始まった。ただそれだけ、ごく単純な切欠。
二人の超能力者。
序列第一位、『一方通行』と呼ばれる白い髪と白い肌、そして赤い目の少年。
同第二位、暗部組織『スクール』のリーダー、『未元物質』こと垣根帝督。
街を行く人々からすれば突然に天災が舞い降りたのと同じようなものだ。
個人の持てる能力の頂点、超能力者の双角の激突は極大の台風が二つ同時に出現したのに等しい。
人々はなす術もなくただ呆然と両者の戦いを見ているしかなかった。
夕日が沈んだ後の暗い空を舞い建物の壁面を蹴り飛ばし二人は街を駆ける。
それはまるで二機の小型戦闘機がダンスを踊るよう。
両者は爆音と破壊を撒き散らしながらビルの森を疾走する。
だが不思議な事に人的被害は皆無だった。
圧倒的な破壊がそこにあったにもかかわらず。
ビルは打ち壊され路面は捲れ上がり高架橋は崩れ落ち。
それでもなお一人の死者も、それどころか掠り傷でさえ負ったものはいない。
一方通行のあらゆる攻撃は垣根ただ一人に向けられ、他の人間には一切向けられていなかった。
片や垣根、彼の攻撃は一方通行ごと破壊を撒き散らすものだったが、それを他ならぬ一方通行自身が制していた。
一片残らず。二次、三次被害も全て含めて、一方通行は垣根のあらゆる暴力をその圧倒的な力で捻じ伏せる。
それがどれほど彼の負担になっていたかは本人のみぞ知るところだ。
もしかしたら赤子の手を捻るよりも簡単だったのかもしれないし、もしかしたら大きな負担となっていたのかもしれない。
だが一方通行、彼は余裕の表情を崩そうともせず黙々と全ての被害を封殺する。
垣根は間違いなく全力だった。それでも一方通行は、自身のみならず周囲全てに気を配り人的被害をゼロに抑える。
それほどまでに両者の間には圧倒的な実力差が存在した。
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