過去ログ - 御坂「幸福も不幸も、いらない」
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556:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/11(日) 23:09:01.75 ID:UxqLXSBzo
時間にしてみればほんの数秒ほどだろう。
姫神は意思を込めて息を吸い、言葉を吐いた。

「上条君。ずっと休んでるけど。大丈夫なの」

……予感はあった。

ここのところクラスの空気はどこか沈んでいた。
理由など簡単だ。少しでもこのクラスの事を知っている者が考えればすぐに思い至る。

教室が静かなのだ。
事あるごとに騒ぐ――と言えば語弊があるが、賑やかしがいない。
ムードメーカーと称すれば適当だろうか。笑顔の中心となっていた少年が、いない。

「上条ちゃんですか?」

もう一人、彼と同じく欠席を続けている少年がいるのだが、そちらはいいのだろうかと月詠は頭の片隅で考える。
二人とも一般的には遅刻早退欠席常習犯で、一般的には問題児とされるような少年だ。
けれど月詠からしてみれば皆同じ生徒である事に変わりはない。
多少個性的で困らせ物ではあるが可愛い生徒だ。

そんな時に頭痛の種になるような、それでも愛しいと思える生徒が二人、一週間ほど連絡を絶っている。

多少なりとも訳あり、それも特殊な類の事情を抱えた二人であることは認識している。

その一端を月詠が知り得ているのは自分が彼らからそれなりに信頼されている証だろうという自負はあるが、
だからといって不用意に踏み込めない酷く難しい事情であることも理解していた。


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