996: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2012/05/04(金) 23:24:56.28 ID:VOY4ySMs0
結衣「あれ……背中が軽い……」
今まで結衣の体に重く圧し掛かっていた棚がない。
ふと見ると、左脇に横倒しになって倒れていた。
その前には、血の付いたノミやキリや包丁やノコギリなどが散乱している。
さらには――
結衣「誰か……手当てをしてくれたのかしら……」
右肩や二の腕のあたりに、血を止めるかのように白い布が巻きつけられていた。
それでも出血は激しかったのか、傷口を中心として赤黒く染まっている。
さらには、少し動かすと鋭い痛みと共に、じわじわと赤いものが滲み出てきた。
応急処置というわりには、不十分だった。
が、今更文句は言っていられない。
自分が気絶しているうちに、誰かがなんとか手当てをしてくれたのだから。
それも、医療器具なんかなさそうな、得体の知れない廃校の中で。
しかも、気絶する直前まで、苦しむさまを嘲笑っていた赤い人魂も――今はいないようだ。
ひょっとしたら、手当てをしてくれた誰かが追い払ってくれたのだろうか。
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