過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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35: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/05/26(木) 01:33:00.20 ID:KACOPQpWo

(そうだ。そしたらきっと、アイツも)

彼が彼の好きなように生きることができないのは、ひとえに彼を追ってくる奴らの所為だ。
だから、この問題をすべて解決することさえできれば。

(全部解決しよう。全部終わらせよう。その先に、きっと誰もが望んで誰もが笑える最高のハッピーエンドがある筈なんだ)

彼女はただひたすらにそれを信じる。
故に多少の無茶は厭わないし、強大な敵を恐れたりもしない。
その先に、ハッピーエンドが存在すると信じて疑わない。

「…………、……ここか」

全速力で走ってきた所為で、肩で息をしていた。
けれど疲労からではない理由で、指先が震えている。

そして彼女はごくりと固唾を飲むと、電子ロックを能力で解除して隔離区域へと足を踏み入れる。
一人分の足音が、いやによく響き渡った。

(大丈夫、ここに来るまでに誰にも見咎められてない。巡回の時間も過ぎたばかりだから、当分の間はここにいても問題ない)

隔離区画は、資料室のような場所だった。
資料や書物で溢れ返った、広い部屋。
そして部屋の奥には、何処にでもあるような平素なコンピュータが一台だけ置かれてあった。

(なるほど、こんなアナログな方法で情報を保管してたんならハッキングも出来ない筈だわ。まあそもそも回線が繋がってないんだろうけど)

美琴は適当なキャビネットに近付くと、能力で電子ロックを外してその中からいくつかの資料を取り出す。
そうして彼女が手にしたのは、いくつものディスクが保存されているファイルのようだった。
しかし、その表面には何も書かれていない。
首を傾げながら改めてファイルの表紙を見てみたが、そこには『実験記録』としか書かれていなかった。



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