過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2012/02/13(月) 20:52:12.07 ID:VVErNlmYo
―――――
……と、一息ついたのも束の間。
その三日後に、さっそく打ち止めが大騒ぎを始めた。
「外に行ってみたい! ってミサカはミサカは駄々を捏ねてみる!!」
そんな彼女の正面に立っているミサカ10032号は、ぐいぐい引っ張られるスカートを抑えながら小さく溜め息をついた。
下位個体である妹達ならいざ知らず、上位個体である打ち止めにはそのような調整はなされていない。
よって、打ち止めの要求はとてもではないが通る筈の無いものなのだ。
「あなたも理解しているでしょう。
あなたはそのようなことができる身体ではありませんし、ミサカにそのような権限はありません、とミサカはばっさり切り捨てます」
「でもでもでも! 他のミサカたちは研修って言って外に出てるのにー! ミサカネットワークで色々流してくるのに!
なんでミサカだけ外に出ちゃ駄目なのー! ってミサカはミサカは我儘を言ってみる!」
「そんなことをミサカに言われても困ります。研究員の方々に仰ってください、とミサカは突き放します」
「そんなの聞いてくれるわけないじゃん! ってミサカはミサカは既に実行して失敗した記憶を苦く思い返してみたり!」
「本当にやったんですか、流石の行動力ですね……とミサカは呆れを通り越して感心するしかありません」
「……何騒いでンだ?」
研究所の廊下のど真ん中で大騒ぎしている二人を見て、何処からか歩いて来た一方通行が不審者でも見るような視線を向けてきた。
すると一方通行に気付いた打ち止めが、期待に満ちた瞳を輝かせながら駆け寄ってくる。
「そうだ、あなたがいたら大丈夫だよ! 護衛だもん! ねっ10032号! ってミサカはミサカは一縷の希望に賭けてみる!」
「だからそもそもあなたにはそのような調整がされていないんですよ……、とミサカは諦めの悪い上位個体に辟易します」
「……何の話だ?」
「ミサカ外に出てみたいの! ってミサカはミサカは主張してみたり!」
打ち止めの言葉に、一方通行は眉を顰める。
そして彼女から僅かに目を逸らしながら、気まずそうに口を開いた。
「あァ……、そりゃ無理だ」
「なっ、何で? ってミサカはミサカはショックを受けつつも食い下がってみる」
「俺が外に出れねェからだ」
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