過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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885: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2012/04/24(火) 00:36:15.97 ID:JsxnDwzjo

雨の降り続く、ある梅雨の夜。
その晩は一際雨脚が強く、うるさい雨音の所為でミサカ10032号がなかなか寝付くことができない程だった。
寝るタイミングを完全に逸してしまった彼女はがばりと布団から上体を起こすと、隣でぐっすりと寝入っている打ち止めを恨めしげに見つめる。

(このミサカが眠れずに苦しんでいるというのにこんなに気持ち良さそうに寝ているとは……、とミサカは上位個体に八つ当たりをします)

ミサカ10032号は打ち止めの傍まで寄ると、打ち止めのほっぺを突いたり抓ったりして遊び始める。
しかし打ち止めは本当に深い眠りに入ってしまっているのか、ちっとも目を覚ます気配が無かった。

(……目を覚ましたら覚ましたで五月蠅いので構いませんが、とミサカは自らの矛盾した行動を認めます)

一頻り打ち止めのほっぺで遊んで満足すると、彼女は再び立ち上がる。
すっかり眼が冴えてしまった。
このまま再び布団に入ったところで眠れはしないだろう。

(夜の散歩でもしてみましょう、とミサカは思い立ちました)

思い立ったが吉日、と言わんばかりに彼女は扉を開く。
真夜中であるにも関わらず昼間と変わらずに明るい廊下の光が目を刺したが、彼女は目を細めながらも外へと踏み出した。





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