過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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886: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2012/04/24(火) 00:36:43.73 ID:JsxnDwzjo

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(とは言え流石にこんな時間では誰もいませんね、とミサカは当然の結論を出します)

廊下に出て暫らくは目が眩んであまり周囲が見えていなかったが、暫らく歩いている内に目が慣れてきた。
しかし周りが見えるようになっても、歩いている人間など一人もいない。
廊下が明るいと言っても、こんな時間に起きているのは徹夜で研究室に籠っている研究者くらいのものだからだ。
ミサカ10032号には何の為に廊下の電気が付けっ放しになっているのか理解できなかったが、考えても無駄だと思いそんな疑問はすぐに忘れてしまった。

(この先の自販機で暖かいものでも飲めば少しは寝やすくなるでしょう、とミサカは就寝の算段を立てます……、?)

ポケットの中の小銭を確かめながら歩いていたミサカ10032号が、立ち止まる。
妙な音がしたからだ。

ずる、ずる、と。
何かを引き摺っているような、粘ついた液体が尾を引いているような、そんな音。
嫌な音だ、と彼女は思った。

(侵入者でしょうか、とミサカは推測を立てます)

ミサカ10032号は無論丸腰だが、相手がただの人間であるならそんなことはまるで問題にならない。
いや、強能力(レベル3)程度の能力者であったとしても彼女の前には手も足も出ないだろう。
超能力者の第一位、一方通行と戦闘を行う為に生産された軍用クローン。それが彼女たち妹達だからだ。

(この研究所のセキュリティは他の実験関連施設に比べて甘いですが、それでもセキュリティを破ったことには変わりない。
 警戒しておくのが賢明ですね、とミサカは慎重な行動を選択します)

ミサカ10032号は壁に背をぴったりとくっつけて、じりじりと廊下の三叉路へと近付いていく。
気取られないようにそろりそろりと身体を動かし、彼女はようやく廊下の向こう側を覗き見ることができた。
そこには。



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