過去ログ - 一方「どンなに泣き叫ンだって、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなンざいねェ」
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887: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2012/04/24(火) 00:37:24.75 ID:JsxnDwzjo

(…………?)

ずるり、と音を立てて赤く染まった服の裾のようなものが、壁の向こうに消えて行った。
しかしその真っ赤な何かの中にかすかに残っていた白に、ミサカ10032号は見覚えがあるような気が、した。

(あれは……、)

「おい」

唐突に背後から掛けられた声に、ミサカ10032号は飛び上がりそうになるほど驚いた。
肩に置かれた手を咄嗟に払い除けて勢いよく振り返る。
と、そこには一方通行が立っていた。

「いてェ」

「も、申し訳ありません……、って『反射』はどうしたのですか、とミサカは疑問を差し挟みます」

「こォいうことがたまにあるから切ってンだよ。クソガキもタックルしてくるしな」

「それは……、お気遣いありがとうございますというか申し訳ありませんというか……、とミサカは言葉を選びます」

「別に、気にすンな。それよりオマエ、こンなとこで何してンだ?」

「あっ、とミサカは本来の目的を思い出します」

「もォその口調に突っ込まねェからな」

一方通行の言葉を無視して、ミサカ10032号は慌てて廊下の向こう側に駆け出した。
しかし、そこにはもう誰もいない。
ただ、先程『何か』が引き摺られていったと思われる床には、真っ赤な血が擦り付けられた痕がついていた。



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