過去ログ - とある仮面の一方通行
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758: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/12(火) 04:16:03.54 ID:+6CEjqWDo
落ちついていて、諭すような口調。
物腰柔らかで、ゆったりとした態度。
まるで、小学生の頃、「こうなりたい」と夢見た憧れの―――

(これは、もし先生になった時の自分……すなわち、自分の願望の姿……?)

研究者になった時点で諦めた、夢。
絶対能力進化実験に加担した時点で霧散した、理想。

別に後悔はない。
許されるつもりもない。
許されていいはずが無い。

だがしかし、一方通行は、妹達は、打ち止めは、まだ子供だ。
罪を贖いたいと言う訳ではないが、3人が大人になるまでは、守ってあげたい。

おそらくは、芳川に残った夢の残滓。
それが今、目の前に居る。

それがわかった時、思わず笑みがこぼれてしまった。

「あなたは、私。ふふ……こんな私に、未だこんな感情が、姿が残ってるなんて。思わなかった……」

「良くわかったね、正解よ。私は、あなた」

芳川の影は、問題を正解させた生徒を褒めるように、微笑みを浮かべている。
しかし、残り物、みたいな表現を心の中でされたと感じ取った芳川の影は、一つ教えるついでにちょっと不満気味に口を開いた。

「ただ、「残滓」って表現はちょっと違うかなー。
だって、夢は自分の中に残ってる限りは、残りカスだろうと自分の大部分を占めてようと、等しく夢なんだから」

先程までは芳川を導く教師の様であったと言うのに、今ではまるでからかわれてむくれる子供の様であった。
そんな芳川の影の姿を見て、芳川は更に笑う。


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